2021/12/02
日本の住宅業界に木材高騰の打撃「ウッドショック」の現状とこれから
2021年3月頃から日本の住宅業界で建築用木材の価格が急激に高騰している「ウッドショック」が起きているのをご存知ですか?
1970年代に起きた「オイルショック」にちなんで名付けられた「ウッドショック」は木材価格の高騰を受けて、建築用木材の供給が間に合わず、住宅業界全体に大きな影響を及ぼしています。
今回は「ウッドショック」が引き起こされたキッカケと日本の住宅業界にどんなダメージを与えているのか説明していきます。また、現状とこれからの課題についてもみていきましょう。
日本の住宅業界を直撃した「ウッドショック」とは?
「ウッドショック」とは2021年3月頃から日本の住宅業界の中で見られる輸入木材価格が高騰している現象のことをいいます。
日本の林業は衰退傾向であることから、国内の住宅業界は木材の自給率が約40%にとどまっており、現在は安価な輸入材が約60%を占めています。
新型コロナウイルスの影響によって、特にアメリカと中国では木材の需要が急激に高まり、その影響で日本は輸入材を確保しづらくなり、住宅業界全体で木材の輸入量が不足しているのです。
「ウッドショック」が起こったキッカケは?
そもそも「ウッドショック」が起こったキッカケはコロナパンデミックが挙げられます。各国でロックダウンが発令され、テレワークが普及して、住宅ローンの金利が引き下げられました。
それにより、アメリカや中国では都市部から離れて郊外に新築住宅を購入したり、リモート環境を整えるためにリフォームを依頼する人が急増しました。
2020年5月のロックダウン解除後から7月頃まで、木材が高騰する「ウッドショック」がアメリカから始まって、その影響が全世界へと広がっていったのです。
その他にも、各国で虫害や山火事が頻発しており、木材価格高騰がさらに拍車をかけ、中国は高値となった木材を世界中から買い集めて、木材価格の高騰を加速させました。
「ウッドショック」が日本に与えた影響
日本では近年、低予算で住宅を建設するハウスメーカーが増えており、その多くが安価な輸入木材に頼っている現状があり、ウッドショックが及ぼす影響は大きいと言えます。
日本が木材を輸入できても2021年3月に起きた「スエズ運河大型コンテナ船座礁事故」の影響のように、コンテナ不足で木材を運べない状況も起こっており、事態は深刻化しています。
世界的に木材の価格が上昇しているため、国内の丸太やヒノキ、製材価格といった木材流通価格にも1.2倍から1.4倍になるなど、上昇傾向の影響が見られるようになりました。
「ウッドショック」は国内すべての住宅メーカーに打撃を与えたわけではなく、国産材にこだわっている住宅メーカーはそれほど大きな影響はないと見られます。
参考サイト:新型コロナがもたらす供給制約: ウッドショックの影響|その他の研究・分析レポート|経済産業省
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20210719hitokoto.html
簡単に国産材へ切り替えられない理由
日本の住宅業界は「ウッドショック」をきっかけに輸入材から国産材に切り替えればいいのでは?という声が見られますが、そう簡単にはいかない理由があります。
まず、住宅メーカーはすでに輸入材の強度をもとに住宅設計されているため、国産材に切り替えた場合に、木材の質と量が変わります。するとコストが上がってしまう問題があります。
さらには、現状は約60%を輸入材に頼っているため、急に国産に切り替えたところで、国産材を必要な分量だけ市場に流通させることは非常に困難です。
例えば、スギやヒノキ、カラマツといった国産材を植林してから市場に出酢までに早く30年以上かかると言われています。国内の林業は人手不足や高齢化が深刻化している点も問題です。
「ウッドショック」の影響はいつ落ち着くのか
国内の住宅業界にも大きな影響を与えた「ウッドショック」はいつごろ終わるのでしょうか。こればかりは、コロナの終息が見られる頃といえるでしょう。
アメリカや中国で見られるコロナ禍での新築住宅の需要やリフォーム事業がコロナ後も長年続くとは考えられません。
日本の住宅業界においては、材料費の高騰が起こる「ウッドショック」だけでなく、建築業界において慢性的な人手不足も問題となっています。
近年増えているローコスト住宅や建売住宅は、輸入材に頼っているために、今後も価格が上昇していく可能性が高いです。
これから住宅を購入される方は、コロナ禍が今後も長引くようであれば、ウッドショックの影響が比較的少ない国産材を使った注文住宅も検討してみると良いでしょう。
まとめ
コロナパンデミックの影響でアメリカでは2020年夏頃から新築住宅の需要が増えたり、リモート作業しやすいリフォームの依頼が急増しました。
これにより世界中で住宅木材が高騰する「ウッドショック」が引き起こり、日本のハウスメーカーも2021年の3月頃から苦戦を強いられているのが現状です。
まだコロナが終息する気配はありませんが、「ウッドショック」が永遠に続くことは考えにくいです。今後、住宅購入をお考えの方は、幅広い住宅メーカーを比較検討していきましょう。
売買物件
-
- 価格
- 4,088万円
- 間取り
- 4LDK
- 建物面積(m2)
- 94.38m²
- 敷地/土地面積
- 72.22m²
- 開口向き
- 東
- 駐車場
- あり
-
- 価格
- 3,580万円
- 間取り
- 3LDK
- 建物面積(m2)
- 92.74m²
- 敷地/土地面積
- 66.36m²
- 開口向き
- 南西
- 駐車場
- あり
-
- 価格
- 3,398万円
- 間取り
- 3LDK
- 専有面積
- 67.67m²
- 管理費
- 8,000円
- 修繕積立金
- 14,900円
- 階数
- 2階
-
- 価格
- 720万円
- 間取り
- 2LDKS
- 専有面積
- 66.00m²
- 管理費
- 5,062円
- 修繕積立金
- 9,405円
- 階数
- 1階
-
- 価格
- 3,780万円
- 間取り
- 3LDK
- 建物面積(m2)
- 99.15m²
- 敷地/土地面積
- 103.48m²
- 開口向き
- 北
- 駐車場
- あり
-
- 価格
- 3,850万円
- 間取り
- 2LDKS
- 建物面積(m2)
- 124.41m²
- 敷地/土地面積
- 128.22m²
- 開口向き
- 南東
- 駐車場
- あり