2023/09/07
広島市で共有名義不動産を所有している場合、固定資産税は誰が支払うの?
広島市で共有名義の不動産をお持ちの方、もしくはこれから所有される方は、固定資産税は誰が支払うのか気になっていませんか?
結論から申し上げますと、共有名義の不動産の場合、共有者全員に納税義務がありますので、各自それぞれが全額を支払う義務を持っている点に注意が必要です。
本記事では、共有名義不動産の固定資産税の支払い義務は誰にあるのか、そして共有名義不動産を滞納したり、自己破産した場合、死亡した場合についても合わせて解説していきます。
広島市の固定資産税について
固定資産税は土地・家屋といった固定資産を所有している人にかかる市町村税のことで、毎年1月1日に所有している人に納付義務があります。
固定資産の資産価値に応じて算定された税額を市町村に納税する税金します。広島市の税額は原則、固定資産の価格に税率(固定資産税1.4%、都市計画税0.3%)を乗じたものになります。
▽広島市の固定資産税額の算出方法・税率
固定資産を評価し価格を決定
↓
価格をもとに課税標準額を算出
↓
課税標準額×税率(1.4%)=税額
固定資産の所有者は固定資産税を年税額を4月、7月、9月、11月の4回に分けて、納付書または口座振替により納めます。
共有名義不動産の固定資産税は連帯納付になる
共有名義の不動産とは複数人で不動産を共有している状態のことをいい、夫婦共同で不動産を購入したケース、または兄弟が共有名義で土地を相続したケースなどが挙げられます。
不動産が共有名義になっている場合は、広島法務局の窓口にて登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して、権利部の箇所に「持分」「所有者名」と記載されているのを確認できます。
共有している不動産の権利の割合を「共有持分」といい、相続で等分するときは法定権利分が持分となり、共同で出資した場合は出資金の割合がそのまま持分になることが多いです。
共有名義不動産の場合、不動産を共有している共有名義人全員が全員で協力して固定資産税を支払う義務を負うことになり、これを「連帯納税義務」といいます。
▽「連帯納税義務」は以下の通り定められています。
”共有物、共同使用物、共同事業、共同事業により生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。”
引用元:地方税法第十条の二第一項
共有者が何人であっても、全員が税金全額を負担する義務を負いますので、固定資産税の納付は連帯責任となり、共有者全員で持分割合に応じてお金を出し合って支払います。ただし、代表者の一人が他の共有者の分まで納税を立て替えて支払うことも可能ですので、共有者の誰かが固定資産税を全額納めた場合、他の共有者の納税義務は消滅します。
固定資産税の納付書は代表者に送付される
共有名義不動産の固定資産税は連帯納付になり、共有者の全員が固定資産税を支払う義務を持ちますが、固定資産税の納付書は代表者に送付されますので、代表者を決めておきましょう。
相続により共有不動産になった場合は、市町村より相続人代表者指定届が送付されますので、相続人の中から固定資産税の代表者を決めて市町村に届出書を返送します。
注意点としては、代表者とはあくまで納税手続き上の代表者という意味であり、固定資産税の納付義務は共有者全員にあります。代表者が固定資産税を納付しなければ、他の共有者に請求が届きますので、不動産の共有者である限りは全員が固定資産税の納税義務者です。
代表者を変更するには「代表者変更届け」をするために新代表者と旧代表者の同意(署名・押印)が必要になり、翌年度から課税台帳、納税通知書に反映されます。
参照:固定資産(土地・家屋)の所有者が亡くなられた場合の新たな所有者の申告について – 広島市公式ホームページ
参照:納税義務者の変更、土地や家屋の購入等をした場合|広島市
共有名義不動産の固定資産税を滞納したらどうなる?
固定資産税は共有者全員が「連帯納税義務」を負いますので、代表者が固定資産税を滞納して、催促が来ても支払わない場合には自治体は他の共有者に対し固定資産税を請求します。
共有者の間で「払った」・「払わなかった」というトラブルに発展すると時間が過ぎていき、
納期限翌日から延滞金が課せられますので注意が必要です。
自治体から固定資産税の督促状が届いても納税をしない場合、財産を差し押さえられる強制執行を受けることになりますので、早めに共有者全員で協力して支払うことが大事です。
ただし、やむをえない事情があって、固定資産税を納付できない場合は、以下の条件を満たすことで1年の猶予や減額・免除などが認められる可能性があります。
▽猶予・減額・免除などが認められる場合
・震災や火災などの災害を受けた場合
・本人または生計を共にする親族が病気または負傷した場合
・営んでいる事業が廃止または休止した場合など
その他の理由で支払えない際には滞納したまま放置をせず、専門家に相談してみることをおすすめします。
共有名義不動産の共有者が自己破産した場合は?
共有名義不動産の共有者が自己破産した場合はどうでしょうか。
共有名義の不動産の共有者が自己破産で自身の債務整理をした場合、自己破産した共有者の持分のみが競売にかけられます。
持分割合に応じた固定資産税の支払いは落札した第三者が代わりに支払うことになるため、新しい共有者と話し合い、税金を持分割合に応じて支払ってもうら必要があります。
他の共有者が持分を売却した場合も同様に、売却された持分を買い取った第三者が新たな共有者となりますので、固定資産税の支払いについて取り決めることが求められます。
共有者が死亡した場合は?
共有者の誰かが死亡した場合は、死亡した共有者の相続人へ共有持分が移りますので、死亡した共有者の配偶者もしくは子供など親族との共有名義に変わります。新しく相続人と共有名義の不動産を管理することになりますので、お互いに協力して固定資産税を支払う必要があります。もし、死亡した共有者に相続人がいない場合は民法第255条の規定に基づいて、他の共有者に持分が帰属します。
参照:民法第255条の規定により共有持分を取得した場合の相続税の課税関係|国税庁
まとめ
共有名義の不動産は所有者全員に固定資産税の支払い義務がありますので、他の共有者とトラブルにならないように事前に話し合っておく必要があります。
広島市で共有不動産の売却をご検討中の方は地元広島で25年の取引実績を誇る「グッドトゥモロー」へご相談ください。売買取引のトータルサポートを丁寧にお手伝いさせて頂きます。
売買物件
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