2022/08/23
位置指定道路とは?公道・私道との違いと調べ方を徹底解説
住宅を建てたい土地が位置指定道路に面していて、どういった目的で作られており、固定資産税・都市計画税を支払う必要があるのか気になっていませんか?
この記事では、位置指定道路の基本的な知識、公道・私道との違いと調べ方などについてみていきます。
位置指定道路とは?
道路は大きく分けて公道と私道があります。公道は国、都道府県、市区町村などの地方公共団体が管理する道路のことです。私道は管理者が個人や民間団体の道路を指し、位置指定道路は私道の一つになります。
位置指定道路とは、建築基準法上の道路(原則幅4m以上)として認められており、特定行政庁(地方公共団体)から指定を受けています。
新しい道路を私道として設けて、特定行政庁(地方公共団体)の指定を受けると位置指定道路となり、位置指定道路に面した土地に建物を建てることは可能です。
位置指定道路は私有地の一部となり、個人で管理を行う必要がありますので、固定資産税・都市計画税が発生します。
位置指定道路がある目的は?
位置指定道路が作られる目的は、建築基準法第42条第1項第5号によって都市計画区域と準都市計画区域内に建物を建てるには接道義務を守る必要があると決められているからです。
建物を建てる場合、建築物の敷地は幅員(道路の幅)4m以上の道路に2m以上接しなければならず、これを接道義務といいます。
建築基準法上の道路に2m以上接していない場合や接道義務を果たせない場合に敷地内に位置指定道路を設ける対策法があります。
公道・私道との違い
公道は土地の所有者が国や市町村などの公的機関が所有している一般道路ですが、私道は土地の所有者が個人や法人となり、所有者のみ使用できる道路です。
位置指定道路は私道の一つとなり、道路に隣接している複数の所有者が均等に所有権を持つことができます。位置指定道路は特定行政庁(都道府県知事や市町村)に許可申請が必要です。
位置指定道路は誰が管理・メンテナンスする?
位置指定道路は個人に割り振られた私道ですので、所有者が管理やメンテナンスを行うことになり、基本的には所有者に固定資産税・都市計画税が課されることになります
自治体や道路の使い方や形状によっては私道補修費用の一部を自治体が助成したり、私道所有者に代わって、自治体が補修工事を対応しますので、詳しくは自治体に問い合わせましょう。
位置指定道路かどうか確認する方法
位置指定道路かどうか確認するには所在地を管轄する役所の建築課の窓口にて「道路位置指定図」を閲覧させてもらったり、「指定道路調書証明書」を入手することも可能です。
参考サイト:建築基準法道路関係規定運用指針の解説 – 国土交通省(PDF)
位置指定道路付きの土地を購入する場合は、私道部分の所有者全員に自由に通行できるか確認しておかないと、土地購入後に通行に支障をきたすリスクがあるので注意しましょう。
位置指定道路のよくあるトラブル事例
位置指定道路は決して個人所有だけでなく、持ち合いや地主など共有名義で所有しているケースがあります。
例えば、建売住宅など一戸建ての接面する道路が位置指定道路の場合、位置指定道路に面する土地の所有者が共有名義になっていることが多いです。
位置指定道路が共有名義の場合は、道路を廃止する際にも所有者全員の同意が必要となり、正当な理由がなければ廃止は認められません。
共有名義の場合は所有者それぞれが利用する権利を持っているためトラブルは起こりにくいですが、共同名義ではない部分の道路の通行にはトラブルが発生しやすいので要注意です。
位置指定道路には、自転車や花のプランターなど通行を妨げるような物品を置くことはできませんので、近隣トラブルにならないように通行・掘削の承諾書を取る必要があります。
位置指定道路の土地を購入する際の注意点
位置指定道路の土地を購入する際に道路の所有者が誰か、過去のトラブル事例をチェックしておくことが大切です。
所有者以外は通行する権利がありませんので、過去に通行料の支払いや妨害行為などの問題があった場合は所有者とトラブルを避けるためにも、話し合っておくと良いでしょう。
その他にも、道路には水道管や下水管などが埋められていますが、公設管の場合は公共団体が管理するため補修費用は発生しませんが、私設管の場合は所有者に補修費用が発生します。
位置指定道路の確認や調査がご自身では難しい場合は、土地の境界を測量・調査する専門家の土地家屋調査士に相談すると良いでしょう。
まとめ
位置指定道路とは私道の一つで接道義務を果たす道路になります。他の私道と同じように所有者が固定資産税を支払う必要があります。
位置指定道路の土地を購入する際には共同名義であれば比較的トラブルは避けられますが、位置指定道路を公道に変更したり、廃止するのは容易ではないため注意が必要です。
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